脊髄髄内腫瘍の治療成績についてのプレスリリース

脊髄髄内腫瘍の治療成績についてのプレスリリース

脊髄髄内腫瘍の治療成績についてのプレスリリースです。

脊髄髄内腫瘍手術では、術後一時的に神経症候が増悪するが、その後改善し術前を上回るレベルにまで回復する。

日本脊髄外科学会:学会主導研究

研究成果は「 Neurospine 」に掲載

学会所属58施設による多施設共同研究 / 1033例の手術症例を集積し、術前後の神経症候の推移、生存期間を長期的に検証

 

日本脊髄外科学会 学術委員会(理事長:飛騨一利、委員長:水野正喜、副委員長:高見俊宏)の有志を中心とした研究グループは、2009年から2020年の間に、学会所属58施設において行われた脊髄髄内腫瘍手術症例1033例を後方視的に解析した。これまでに例をみない多数症例の検討から、我が国における脊髄髄内腫瘍摘出手術の現状が明らかとなった。

 

<過去最多の症例を解析>

日本脊髄外科学会の学術委員会研究グループは、全国調査を行い、これまでの報告の中では最多となる脊髄腫瘍手術症例1033例のデータを集積し、術前あるいは術後の神経症状の推移、腫瘍摘出率、病理組織型、生存率などを解析した。

 

1033例の脊髄髄内腫瘍の病理組織型の内訳は上衣腫361例、血管芽腫196例、星細胞腫168例、海綿状血管腫160例が含まれていた。また、神経症状は手術後に悪化することがあるが、その後回復が見込める。さらに、術前の神経症状、腫瘍の摘出度、病理組織型が、死亡率および神経機能予後と有意に関連したことが示された。

 

今回の研究により、 日本のリアルワールドのデータを用いて、脊髄髄内腫瘍の手術リスクと長期予後を明らかにすることができた。脊髄髄内腫瘍に対する手術は、リスクを伴う難しい治療である。「脳神経外科医による精緻な顕微鏡手術により、腫瘍摘出度の向上と神経機能の温存、そして長期にわたる良好な予後を達成することは決して不可能ではない」と研究グループは述べている。