
【講演会レポート】
脳神経領域キャリアパス講演会 ~脳神経内科医・脳神経外科医のすすめ~
2025年6月3日、東北医科薬科大学にて開催された「脳神経領域キャリアパス講演会」は、脳神経内科医・脳神経外科医のキャリア形成に焦点をあてた非常に充実した内容でした。多彩な講演が繰り広げられ、学生や若手医師にとって大きな学びとなる時間となりました。
まず、当院で以前勤務されていた西澤先生による講演は、研修医・若手医師に向けた実践的なアドバイスに満ちた内容であり、その率直な語り口と経験談は、これからのキャリアを考える参加者にとって非常に参考になるものでした。
続いて登壇された鈴木匡子先生のご講演は、「ヒトの脳のしくみを知る—脳神経内科の臨床から神経科学へ—」というタイトルのとおり、脳内ネットワークに対する深い洞察を与える興味深い内容でした。神経内科の臨床から神経科学への展開がいかにダイナミックであるかを感じさせるご講演でした。
そして最後が山形大学医学部 脳神経外科 園田順彦先生による特別講演『脳神経外科医のキャリアパス 〜山形大学の取り組み〜』でした。
園田先生は講演では、先生ご自身のキャリアを振り返りながら、脳腫瘍の研究から臨床への挑戦、治療成績の向上を目指した取り組み、そして脳神経外科医としての歩みを情熱的に語られました。
「挑戦を続けるべきだ」という強いメッセージとともに、大学における教室運営の重要性や独自性をいかに打ち出すかについても触れられ、私自身にとっても大変参考になりました。特に、「ただ一般的なことをやっているだけでなく、大学だからこその強みを打ち出さなければ若者は惹きつけられない」という言葉は、多くの参加者の心に残ったことでしょう。
さらに、山形大学での個々の事情に配慮したキャリア支援体制や、県との連携を通じた奨学金制度の活用など、実際的な取り組みも紹介され、教室運営のヒントに富んだ内容でもありました。
最後の学生・研修医との質疑応答も非常に活発で、未来の脳神経医療を担う若者たちの熱意と関心の高さを実感する場面となりました。
園田先生をはじめ、各講師の先生方の熱意あふれるご講演に心より感謝申し上げます。またご参加の皆様、どうもありがとうございました!