台湾での国際学会に参加しました!

台北で開催されたNASS International Meetingに参加して


2025年7月、台湾・台北で行われた NASS International Meeting に参加してきました。会場は台北マリオットホテル。私は「Neurospine Symposium」のセッションで、「Surgical Treatment of Intramedullary Tumors(脊髄髄内腫瘍の外科的治療)」について講演する機会をいただきました。


東アジアの脊椎外科の力を結集したセッション


このシンポジウムのテーマは、「東アジアの経験をもとにした脊椎治療の進歩」。韓国のInbo Han先生、日本の高橋俊之先生がモデレーターを務め、日中韓の専門家たちが各国の知見を共有する非常に意義深いセッションとなりました。


内容は多彩で、

• 頭蓋頚椎移行部の評価と固定法

• 多椎間ACDFにおける偽関節リスクとその対策

• 思春期特発性側弯症(AIS)手術での適切なLIVの選び方

• 成人脊柱変形手術後の再手術の考え方

• 脊髄転移の長期的管理戦略

など、アジアの臨床現場で磨かれてきた知識と経験が詰まった内容でした。


私の講演:脊髄髄内腫瘍の手術戦略について


私は、脊髄髄内腫瘍の手術について発表しました。術中モニタリング(特にD waveやMEP)の活用、腫瘍摘出の工夫、そして術後の神経機能回復との関連について、実際の症例を交えながらご紹介しました。会場からは、脊髄腫瘍についての国際共同研究への関心も高く、活発な質疑が交わされました。


国を超えて共有される課題と未来


印象的だったのは、アジアの各国で抱えている課題が意外にも共通していたこと。医療制度や手術件数、教育の体制など違いはあっても、患者さんによりよい治療を届けたいという思いはどこも同じでした。


今回の参加を通じて、国を超えてつながる専門家同士のネットワークの大切さをあらためて実感しました。今後もこうした場に積極的に参加し、学び合い、そして日本からも発信していきたいと思います。