当科からの症例報告が、米国脳神経外科学会(AANS)発行の学術誌である Journal of Neurosurgery: Case Lessons に掲載されました。
掲載論文
Symptomatic manifestation of a cauda equina arteriovenous fistula after resection of a coexisting spinal schwannoma: illustrative case
本論文では、馬尾動静脈瘻(cauda equina AVF)と脊髄神経鞘腫(schwannoma)が併存した極めて稀な症例を報告しています。
患者さんは腰椎部の神経鞘腫による症状に対して手術を受けられ、一時的に症状は改善しました。しかし、その後に歩行障害や排尿障害が進行し、詳しい検査の結果、馬尾部の動静脈瘻が判明しました。追加治療により症状は改善し、その後の経過も良好でした。
本症例は、
∙ 脊髄腫瘍と脊髄血管障害が併存することがある
∙ 腫瘍摘出後に潜在していた血管病変が症候化する可能性がある
∙ 術前画像を慎重に評価する重要性
∙ 症状再燃時には腫瘍再発だけでなく血管病変も考慮すべきこと
を示した貴重な症例です。
脊髄血管障害は診断が難しい疾患ですが、適切な診断と治療により神経機能の改善が期待できます。本報告が、同様の症例に遭遇した際の診療の一助となることを期待しています。
最後に
本論文は、東北医科薬科大学病院脳神経外科と、インドネシア・パジャジャラン大学から留学のサム先生との共同執筆により実現しました。症例の診療に携わった医療スタッフの皆様、そして執筆にご協力いただいた関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
今後も当科では、脊髄腫瘍および脊髄血管障害の診療・研究を通じて、新たな知見の発信に努めてまいります。




